ゴルフ会員権の売買フローラゴルフ

ブログ

ゴルフ会員権

価格上昇の裏にある“施設改修への投資”──クラブリニューアルが相場に影響を与える理由

近年、名門クラブを中心にクラブハウスやコースのリニューアルが進んでいます。目的は会員の快適性向上やクラブの長寿命化ですが、こうした投資は結果的にゴルフ会員権相場に影響を与えることがあります。改修によってクラブの魅力が再評価され、会員権の需要が高まるケースも見られます。

本記事では、施設改修がどのように市場を動かしているのかを整理します。

 

 

 

1.ゴルフクラブのリニューアルが進む背景

1980年代後半から1990年代初頭にかけてのバブル期に開場した多くのクラブが、現在では築30年以上を迎えています。老朽化したクラブハウスやコースの修繕、バリアフリー対応、設備更新などが必要な時期に差しかかっており、全国で改修が進んでいます。

また、ゴルファーのニーズも変化しています。かつては「格式」や「伝統」といったステータスが重視されていましたが、近年は快適性・環境配慮・利便性といった現代的な価値観が求められるようになっています。

レストランやロッカールームの改修、カート道路の整備、練習施設の拡充など、プレー体験を高める投資を行うクラブが増えています。これらの取り組みは単なる維持ではなく、「次世代に選ばれるクラブづくり」という経営戦略の一環といえるでしょう。

 

 

 

2.“施設改修への投資”が会員権相場に与える影響

施設改修と会員権相場の関係は、明確な数値データで示すことは難しいものの、いくつかの共通傾向が見られます。

(1) 既存会員の満足度向上と需給の変化

リニューアルによってクラブの魅力が高まると、「退会せずに継続したい」と考える会員が増える傾向があります。その結果、市場に出回る会員権の数が減少し、供給減少による価格の下支えが起こる可能性があります。

(2) 新規入会希望者の増加

施設改修のニュースや完成後の情報が話題になると、クラブへの注目が高まり、新たに入会を検討する人が増えることがあります。特に名義書換の停止や再開といったタイミングでは、取引が一時的に活発化し、短期的な相場変動が見られることもあります。

(3) クラブブランド力の再評価

リニューアルはクラブ全体の印象を刷新する契機にもなります。最新の設計思想や環境基準を取り入れた改修は、クラブのブランド価値を高める要因のひとつです。大会開催や新たな会員制度導入などの動きが重なると、相場にプラスの影響を与える場合があります。

 

 

 

3.改修後に注目を集めたクラブの事例

ここでは、近年リニューアルを実施した代表的なクラブを紹介します。

事例:横浜カントリークラブ(神奈川県)
2014年から2016年にかけて西コースを全面改修し、世界的設計家クーア&クレンショーが監修。戦略性と自然との調和を重視した設計が評価されました。改修後の2018年には日本オープンの開催地にも選ばれ、ブランド力の向上につながったと言えます。

事例:茨木カンツリー倶楽部(大阪府)
2011年に米国の名匠リース・ジョーンズ氏による西コース改修を実施。競技性の高いコースデザインが評価され、名門クラブとしての地位を確立しています。2020年にはクラブハウスの耐震補強工事も行われ、長期的な運営姿勢を示しました。

事例:狭山ゴルフクラブ(埼玉県)
開場以来、グリーン芝の変更やバンカー改修などを継続的に行い、常にプレー環境の改善を進めています。27ホールを有する広大な敷地と名門らしい運営方針により、安定した評価を得ています。

 

 

 

4.改修費用の原資と会員への影響

大規模改修には多額の費用が必要となるため、クラブは預託金の繰越や特別会費、追加預託金などで資金を確保するケースがあります。
一時的に会員の負担が増えることもありますが、施設の充実やブランド価値の維持につながる可能性があります。
PGMグループなどの大手運営会社では、定期的な設備投資を「クラブ価値を維持・向上させるための将来投資」と位置づけており、こうした動きは今後も続くとみられます。

 

 

 

5.改修情報を見逃さないためのチェックポイント

これから会員権の購入を検討する際には、クラブの改修計画を事前に確認することが重要です。

  • クラブ公式サイトや会報で発表される改修計画・工事時期・再開情報
  • 日本ゴルフ会員権取引業協同組合加盟業者サイトで確認できる名義書換再開や相場推移
  • 改修直後や再開直後の一時的な取引増加にも注意し、購入タイミングを慎重に見極めること

改修を予定しているクラブは将来的に注目度が上がりやすく、長期的な資産として検討する価値があります。

 

 

 

6.まとめ

施設改修は老朽化対策にとどまらず、クラブの魅力を再構築するための重要な投資です。改修を通じてブランド価値が再評価され、会員権相場に影響を与えるケースも少なくありません。
ただし、価格変動の要因はクラブごとに異なり、すべての改修が相場上昇につながるとは限りません。
会員権を検討する際は、改修の目的・内容・資金計画・運営方針を確認し、信頼できる情報源に基づいて判断することが大切です。