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ゴルフ会員権の「据置期間」とは?──資産価値を左右するルールを正しく理解しよう

知らないと損? 「据置期間」が資産価値を決める

「退会時に預託金はすぐ戻るものだと思っていたのに……」――こんな声を耳にしたことはありませんか。

ゴルフ会員権には据置期間というルールがあり、この期間中は預託金(入会時にクラブへ預けるお金)を請求できません。据置期間の長短は会員権の流動性市場価格を大きく左右します。

本記事では、据置期間の仕組みとリスクを体系的に整理し、契約書で確認すべきポイントを分かりやすく解説します。

 

 

 

1.ゴルフ会員権の仕組みと預託金制度の基礎

ゴルフ会員権は大きく、次の三方式に分けられます。

方式 概要
株主会員制 株式を保有し議決権や配当を得る。
社団法人制 非営利法人の「社員」として権利を持つ。
預託金制 ゴルフ場に長期で資金を預け、退会時に返還請求できる。

 

国内で主流の預託金制は、法律上長期貸付金とみなされます。

名義書換による譲渡が可能なほか、据置期間満了後には貸付金として返還請求できます。ただし返還原資はクラブの運転資金から捻出されるため、経営状態によっては返金が遅延したり分割払いになることも少なくありません。

 

 

 

2.「据置期間」とは何か――定義と法的背景

・据置期間:預託金を返還請求できない契約上の期間(例:5年・10年・20年)。

・返還請求開始日=据置期間満了日。

 

多くの契約書には「やむを得ない事由がある場合、クラブは期間を延長できる」という延長条項が盛り込まれています。大型改修や経営再建を理由に据置を延長する例も珍しくありません。

また、契約内容によっては極端に長い期間が設定され、実質的に無期限に近い形で運用されているケースが報告されています。ただし、そうした例は限定的で、個別の条文内容を確認する必要があります。

 

注意:ゴルフ場を運営する会社が破綻した場合、預託金債権は一般債権と同列に扱われ、必ずしも全額が戻るわけではありません。

 

 

 

3.資産価値への影響――据置期間が長いと売却価格はどう動く?

一般には、残存据置期間が長い会員権ほど市場で割安に取引される傾向があるといわれます。現金化までの時間が長い=リスクが高いためです。

ただし、名門コースや人気クラブの場合はプレー権そのものの魅力が上回り、据置期間の影響が小さくなることもあります。

 

 

 

4.契約書で必ず確認すべき5項目

1.満了日:○年○月○日と日付が明記されているか。

2.延長条項:クラブが一方的に延長できるか/上限年数はあるか。

3.返還方法:一括 or 分割、現金 or 振替など支払い手段。

4.中途退会ルール:途中退会が可能か、その場合の違約金・返還時期。

5.担保設定の可否:金融機関への質入れや担保提供が契約上許されるか。

 

これらは将来の資金回収や売却戦略に直結します。購入前に契約書の写しを取り寄せ、行政書士や弁護士など専門家へ相談するのが安心です。

 

 

 

5.据置期間満了後の選択肢と注意点

選択肢 概要 主な注意点
返還請求 クラブ指定書式で満了日から一定期間内に請求(期間はクラブにより異なる)。 本人確認書類・会員証券・印鑑証明が必要。期限を過ぎると権利を失う場合も。
据置延長に同意 条件付きで延長し、優待特典や延長利息を受け取る場合あり。 延長条項・金利・再延長の有無を要確認。
名義書換で売却 据置切れ銘柄として流動性が上がり、高値売却も狙える。 売却益に対する税務処理、譲渡先の審査基準を確認。

 

満了日の1年前から準備を始め、請求期限を必ず把握しておきましょう。

 

 

 

6.“延長リスク”を見抜く――ゴルフ場の財務と経営情報の読み方

・決算公告・官報:自己資本比率・預託金残高・現預金の推移。

・帝国データバンク/東京商工リサーチ:格付け・支払遅延情報。

・設備更新計画:大型リニューアルが控えていると資金需要が増大。

・入会預託金の新規募集状況:高額募集が続く場合、将来返還原資不足リスクが高まるサイン。

 

数字に不慣れな場合は、取引業協同組合に加盟する専門業者へ相談しましょう。

 

 

 

7.新トレンド――据置期間短縮型・無預託型プランの登場

近年、一部クラブでは据置期間を数年単位に短縮した準会員権や、預託金を一切預からない無預託型パスポートを導入する動きが見られます。

こうした制度は「資金を固定化したくない」「短期間だけプレーしたい」といったニーズに応えますが、導入クラブはまだ限定的で、制度内容もクラブごとに大きく異なります。具体的な条件や退会時の扱いは、必ず公式リリースや募集要項で確認してください。

 

 

 

8.まとめ――据置期間を理解して賢く資産を守ろう

据置期間はゴルフ会員権の流動性資産価値を決定づける鍵です。

1.契約書で満了日・延長条項・返還方法を必ず確認する。

2.クラブの財務体質を調べ、延長リスクを客観視する。

3.満了後の選択肢(返還・延長・売却)を早めに検討する。

4.無預託型など新トレンドも比較し、自分のプレースタイルと資産計画に合った会員権を選ぶ。

 

本記事が、あなたの大切な資産を守り、豊かなゴルフライフを実現するヒントになれば幸いです。
不明な点がありましたら遠慮なくご連絡ください。